ウエイトリフティングは、努力の分だけ成果が出やすいことが醍醐味の一つだと思います。
ただ、私は10年以上の競技生活から、この努力というものは、「量も大切だが何より方向性が大事」だということを知りました。
例えばこういう経験はありませんか?
・コーチが決めてくれたメニューをちゃんとこなしているのに記録が伸びない。
・毎日何時間も練習しているのに力がつかず、怪我をしてしまった。
練習の目的を考えずに練習量をこなすだけでは、そのときは「やった感」があるかもしれませんが、あとで振り返ってみると、思ったような成果を得られていないことが多く、場合によってはコーチとの相性を疑ってしまうこともあるかもしれません。
そこで大切なのが努力の方向性です。つまり、どうすれば記録が伸びるかを自分で考えて、正しい努力をすることです。
色々な選手を見てきて、強くなる選手に共通することは、上記のようなことを「考えられる選手」であると私は感じてきました。
このように目的意識がある選手と他の「やらされている選手」を比較すると、明らかに練習内容のクオリティが違い、側から見ても一目瞭然です。
みなさんもこの記事を読んで「考えられる選手」になるきっかけを掴んでいただけたら、ウエイトリフティングの楽しさをより実感できると思います。
それでは、次からは「考えられる選手」になるために実践してほしい3ステップを紹介します。
目標を決める
目標を設定することは、強くなるための原動力(モチベーション)となり、練習や食事を含めた全ての行動が記録を伸ばすための行動に変わります。(私も体験済み)
具体的には、練習面でいうと、それぞれの練習が何のための練習なのかを自分で考えて効果的な練習ができるようになり、食事面でいうと、筋肉がつきやすい食材を選ぶ(勉強もする)ようになるはずです。
目標の設定するには次のような方法がおすすめです。
長期・中期・短期の目標をそれぞれ立てる
これは、いつか達成したい大きな目標を立てて、それを達成するために必要な、通過点となる具体的で近い目標を立てるイメージです。
これらをそれぞれ設定し意識することで、日々の行動に一貫性ができます。つまり、目標を達成するために本当に必要な行動を自然ととれるようになり、最短で目標を達成できることになります。
例として挙げるには恐れ多いですが、実際の私の例を紹介します。
長期目標:国民体育大会に出場
中期目標:スナッチで120kg、クリーン&ジャークで140kg
短期目標:バックスクワットで190kg
私の場合、残念ながら全国優勝などを目指せる選手ではなかったため、長期目標が「国体出場」ですが、このように設定することで記録は毎年向上し、時間はかかりましたが実際にこの目標を全て達成できました。(国体については、コロナで中止になってしまいましたが😢)
そしてさらに、この目標を達成するために「○月までに○を○kgできるようになろう」等の細かい目標を立てると着実な成長が望めると思います。
課題を見つけて、実行する
これは、先ほどの目標を達成するための課題を洗い出す作業です。
課題とは、言い換えれば自分に足りない(克服すれば目標を達成できる)部分のことです。
これは、フォーム・筋力(部位ごと)・柔軟性(可動域)の課題を感じている人がほとんどだと思います。
自分の課題をわかっている人であればすぐに実行に移せると思いますが、これが意外と難しく、わからなければ他の人に助言してもらうことも効果的です。
また、自分のフォームを動画で撮ってもらって、それを見てみると意外と思っていたイメージと違っていたりするので、自分を客観視するのにおすすめです。
成果が出ているか確認し、計画を見直す
ここまでのプロセスでは考えて実行してきましたが、その後に必要なのが効果の確認と必要に応じた計画の改善です。
最初に設定した目標や課題があまり適切ではなかったということはたくさんありますし、それに気付くことが大事です。
誤った方向性で頑張り続けてしまわないように、定期的に計画を見直して軌道修正しましょう。
まとめ
さて、今回の記事では、ウエイトリフティングで記録を伸ばすために、まず考えることを3ステップに分けて解説しました。
途中で気づいた方もいるかもしれませんが、これはビジネスシーンでもよく使われるPDCAサイクルの考え方と同じです。
PDCAサイクルとは、
Plan(計画)
Do(実行)
Check(測定・評価)
Action(対策・改善)
これらの頭文字をとったもので、それぞれのプロセスを回して業務改善を測ろうというものです。
ぜひ、この記事の内容を実践してみることで、ウエイトリフティングの競技力向上に併せて、今後の生活などでの考え方にもつなげてみてください。
この記事では、他にもウエイトリフティング初・中級者のヒントになりそうなノウハウをまとめていますので、ぜひほかの記事も合わせて読んでみてください。
それでは、この記事はこれにて以上となります。
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